写真が加工されているかを見分ける方法
これに一発で答えてくれるボタンはありません。ただ、10秒で終わって、思っているよりよく当たる確認方法ならあります。ファイル自身のメタデータを読んで、カメラが吐き出したものらしく見えるかどうかを確かめるのです。
顔がすげ替えられたか、影が描き足されたかまでは分かりません。ただ、そのファイルがカメラを出たあとにソフトを通ったかどうかは、かなりの確率で分かります。たいていはそれが、聞きたかったことの中身です。
まずSoftwareの項目を見る
カメラは自分のファームウェアのバージョンをSoftwareタグに書き込みます。編集ソフトはそこを自分の名前で上書きします。この欄にPhotoshop、GIMP、Lightroom、Snapseedと入っていれば、そのファイルはそのプログラムで開かれ、書き出し直されています。
実際のJPEGで、独立した手がかりが3つ同時に出ている例を見てみます。
次に日付を突き合わせる
写真には撮影日時と更新日時があります。カメラから出したままなら、この二つは一致するか、数秒しか離れていません。更新日時が数日後や数か月後になっていれば、何かがファイルを書き直したということです。編集、回転、あるいは再圧縮を伴う保存です。
逆のパターンも同じくらい物を言います。更新日時が撮影日時より前になっていたら、誰かがタイムスタンプをいじっています。普通に使っていて、その順序になることはありません。
画像サイズをカメラの仕様と照らす
Modelの項目にはボディの名前が入っています。そのボディが何画素で撮るのかを調べて、ファイルのピクセル数と比べてみてください。1000万画素のカメラが横100ピクセルの画像を出したことになっているなら、そのファイルは少なくとも一度は縮小して保存し直されています。元のファイルはどこか別にあります。
信用できる写真と並べて比べる
この確認のいちばん強い形は、並べて見ることです。同じカメラから直接出てきたと分かっている写真を用意し、疑わしいほうの隣に置いて、どの項目が食い違うかを見ます。手が入っていないファイルはカメラ由来のタグが密で、辻褄も合っています。加工されたほうはたいてい中身が薄く、編集ソフトが値を引き継がなかったところに穴が空いています。
2枚の写真を並べて比べる. EXIF比較を開く
この方法が通用しなくなるところ
ここは多くの解説記事が飛ばす部分ですが、上に挙げたコツより重要です。
きれいなファイルは何の証明にもなりません。SNSはどこもアップロード時にメタデータを削除するので、Instagramから落とした写真にはタグが一つも残っていません。意図的に消されたファイルと見分けがつかないのです。ウェブ上では、痕跡がないほうが普通の状態です。
メタデータは偽装もできます。ファイルの先頭に入った署名のないテキストにすぎず、無料のツールならどれでも書き換えられます。私たちのツールも含めてです。本気で騙しにくる相手が、Softwareの項目にGIMPを残したままにするはずがありません。
この隙間を埋めるために作られたのが C2PA です。ファイルがどこから来て何をされたのかを暗号署名付きで記録するもので、テキストエディタで書き換えることはできません。Adobe などは Content Credentials という名前で表示しています。まだ対応ファイルはごくわずかなので、無いことは何の証明にもなりません。ただし付いている場合は、署名のないタグをすべて足したよりも重い情報です。
ファイルに署名付きの来歴があるか調べる. C2PA ビューアを開く
そもそも、痕跡らしい痕跡を残さない加工もたくさんあります。写真アプリでの切り抜き、スマホで当てたフィルター、メッセージアプリからの書き出し。こうしたファイルは普通に見えますが、それはメタデータの層では実際に普通だからです。
本当に重要な場面でやること
- スクリーンショットや転送されたものではなく、元ファイルを求めること。タグを持っているのは元ファイルだけで、転送されたものには残りません。
- 先頭のデータだけでなくピクセルも見ること。光の当たり方、輪郭、遠近の矛盾は、メタデータを消しても残ります。
- 画像検索を使って、同じ画像がもっと前に別の場所へ出ていないかを調べること。
- カメラ由来のタグが揃っていることは、主張と矛盾しないという意味であって、主張の裏付けではないと考えること。
日常的な用途——自分のライブラリを整理する、出品写真の素性を軽く確かめる、編集ソフトを通ったかどうかを見る——であれば、メタデータの確認は速くて無料で、たいてい当たります。争いごとの場では、出発点にはなってもそれ以上ではありません。
写真に実際に何が入っているかを読む. メタデータビューアを開く